2015/09/13

ダニの動く城

セロファン包みのアフリカ甲虫で、ツメダニ探しの続き。

今度のヤツはどことなくオオゾウムシみたいな雰囲気で、ジンバブエで採れたもの。
このあたりのゾウムシの分類は、近年見直す研究が増えているそうだが、たくさんの細かい相違に目をつぶりさえすれば、個人的にはオオゾウムシでも全然かまわないと思う。

さて、さやばねの下の隙間をほじってみると、やはり、マラウィのアンキロサウルス似ゾウムシに付着してたのと同じような前ふ節のコウチュウダニぽいのがいた。
ただしコチラは背板が厚くて細かな紋理があるので、どうみても別種。
こいつらが、アフリカのダニ学者たちからなんて呼ばれているのか知らないが、異質な感じのダニ類だ。
アフリカとなるとさすがにヘンなのがいる。

体部後端の毛は矢印位置あたりまでくねくねと伸びている。

ツメはやっぱり十字型。

10個体ほどいたが、この種も雌しかいなかった。まさか単性生殖?  よくみたら雄。
(10個体の中で、形よく足を広げているこの写真の個体だけが♂だった・・・。眠たかったんか?)



ホストのゾウムシのさやばねは左右が癒着しているし、腹端の嵌合部にも短剛毛がフィルタのように密生しているので、外部からダニが簡単に入り込めそうにない。
とすると、これらのアフリカゾウムシダニが拡散するチャンスは、ホストが成虫なら交尾の時、ホストが幼虫期なら産卵から羽化にかけての期間しかないということになる。

外部から閉ざされたまま移動する城の中で、ダニたちはどんな暮らしをしているのだろう。

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