2015/01/19

マメタンツメダニ

今年の干支であるヒツジを某公園で見かけて、わけもなくふんわりと幸運に出会ったような気持ちがした。よーくみてみると、ソイツの暗い目には涙の跡があったりして、幸先のよさはまったく感じられなかった。
業績が上がらず、深刻な苦境におちいった折りには、むしろ学ぶべきはパンダが示すほうの生きる姿勢だろう。




久しぶりにきた室内塵検査の仕事で、マメタンツメダニをみた。10数年ぶりくらい。
ツメダニ類を同定するときに、われわれは日本ダニ類図鑑(1980)のお世話になってきたが、さすがに内容は古くなっているところもでてきているように思われる。
Cheyletus属はかなり整理(Fain and Bochkov 2001)されていて、それにしたがうと図鑑に掲載されているマメタンツメダニには、Cheyletus trux の学名を使うことが妥当と思われる。
胴背毛の特徴でみると、sciがとても長くveの1.5倍に達すること、hが細長く先太りになっていないこと、メス成虫のツメ基部の歯は普通3個などがC. trux の特徴。
図鑑で使用されている学名 C. trouessartiに該当する種のほうは、hが先太りであるなどの形態が違っている。私は未見だがハウスダストの生物学(1990)でもリストに出てくるし、欧米では普通にいるらしい。












参考文献:Fain, A.; Bochkov, A. V., 2001: A review of the genus Cheyletus Latreille, 1776 Acari: Cheyletidae. Bulletin de l' Institut Royal des Sciences Naturelles de Belgique, Entomologie 71: 83-113

2015/01/17

工夫と迷走

ダイソーなどの100円均一ショップでは、ついしょうもないモノを買ってしまう。思わぬ方向から物欲を刺激されるグッズが多く、失敗しても100円ならいいかという気にさせる商法に、いともたやすく乗せられてしまう。  
単独ではさほど役に立たなくても、他のものと組み合わせによって意外な用途があるかもしれない。なんて、うなりながら考え事を巡らせて店内通路をふさいでいるオッサン自体は、何の用途もなく邪魔なだけなんだが。

USB・LEDライトを2つ購入して、いつも持ち歩いているモバイル電源とつなぎツインアームライトにしてみた。

予想以上に演色性が低く、タバコシバンムシなんかは、やたらと黒っぽく見えて残念な感じ。光の黄色成分を増やすために、自作フィルターをつくってみた。フィルターの材料は、ダイエーで買い物をするとくれるポリ袋のオレンジ色部分。指をシンボルマークに押しつけて、むにぃーっと引き延ばして薄くしたモノを使用した。そんなプアなフィルターでも、発光部をカバーすると意外に自然な光の感じになった。当然、光量が少ないので撮影用照明としてはかなり力不足だ。



実体顕微鏡には、コリメート用のブラケットを取り付けてあるので、照明が暗くてもスローシャッターが利用できる。「デジタルカメラ クイックブラケット」という製品でバルク品で安かったが、塗装が悪いのか石油臭く、ニオイに敏感な人には耐えられないかも知れない。ビクセンのサイトでみる純正品は、少し細部の造りが違うようにみえる。
ちなみに本製品は、普通なら双眼実体顕微鏡に取り付けられないのだが、邪魔なネジを外して短いネジを自作して、セットできるようにした。ネジは社内にあったスチールラックのものがなぜか転用できた。ラックがアレな感じになったが、何事も進歩のためには犠牲がつきものである。
Coolpix4500みたいな古いデジカメを使用していて、どの口で進歩とか・・・・。



100円LEDの2灯照明で20年くらい前に採集したムシを撮影してみた。そんなに色合いは悪くないような気がする。でもやっぱり暗い。台紙が縦置きなのは貧乏人の省スペース仕様。


木曽川のキバネキバナガミズギワゴミムシをみて思ったのは、いるはずなのに全く見つからない場所もあるというのに、いるところにはナゼこんなにウジャウジャいるのだろうというコト。ムシって本当に分らん。