2016/08/09

天馬のごときダニ

コウチュウダニのことを調べるため、Biodiversity Heritage Libraryのサイトでベルレーゼの古い本を閲覧していると、
当時のダニ学者が中二病だったのかと疑わざるをえないダニの図を見つけた。


ウモウダニの一種 Oustaletia pegasus (Trouessart, 1885)
サイチョウの一種の羽毛でみつかるなんてかいてあったが、”ボクが考えた最強のダニにデビルウィングも付けてみた”みたいなヤツが、実際にいるとは到底信じられん。



カラー図を描いている人もいる。

2016/08/02

クワガタムシの口腔内洗浄

アマミシカクワガタ Rhaetulus recticornis の1985年9月に採集した♂の標本を、口腔内洗浄してみた。
少し洗剤を加えた水にクワガタムシを1日漬けて置いた。
クワガタムシを取り出して、ホースの先端に細いノズルを接続したものを使い、水道水をジェット水流にしてクワガタムシの口腔内へ吹き付けた。



洗浄作業は、小さなバケツの中でおこない、水しぶきや付着物を逃さないように集めた。
バケツに溜まった洗い水を濾紙に通して濾紙に残った付着物からダニを集めた。


クワガタムシの口腔内のダニ(精密画)



濾紙を実体顕微鏡で眺めると、コウチュウダニの幼虫やヒゲダニ科のヒポプスのような、低倍率のルーペでは見えにくいダニが、とても多く回収されていることが分かる。

アマミシカクワガタ♂の口器周辺についていたコウチュウダニは、じっくり文献と見比べたいが・・・、なかなかままならない。
とりあえず、Canestriniidae gen. sp.としておくしかないけれど、 Sandrophela属あたりだろうと予想中。

Canestriniidae gen. sp



Canestriniidae gen. sp の幼虫
体内に若虫が透けてみえている。




どこへいっても、たっぷり見かけるヒゲダニ科のヒポブス。