2018/05/02

河原のアナタカラダニ

ジョギングやらウォーキングやらでエネルギーを発散している方々、フラフラしてるとはね飛ばされそうな勢いで錯綜する高速度な自転車、そんな周囲をよそにのどかに進む数台のシニアカー。
これらの河原を愛する人々が、一瞬途切れた瞬間の鴨川。
自分以外に働いている人が見当たらない気さえするGW。


石組みのあたりにはアナタカラダニが多くみられた。
不用意に座ると、服に赤い小さな汚れが付くかもしれないので、岸辺でまったりしたい方々は、新聞紙とかポリ袋とかをおしりの下に敷いたほうがいいだろう。

わりと最近に冠水している感じの砂州には、アナタカラダニがいるだろうか。
いるにしても、そう多くはないだろうと思っていたが、、、、



意外に結構な数がはい回っていた。水をかぶっている間、いったいドコでどう過ごしていたのだろう。

アカバナユウゲショウの花には、まだ全然、アナタカラダニが集まっていなかった。
アナタカラダニが好む、花粉の熟れ時みたいなものがあるのかも。


2017/12/20

迷光

大きな植木鉢の下で、ノコバゼムカデが眠っていた。胴節の背に迷い込んだ光は、何色とも決めがたいキラメキになって反射してくる。



はたして大阪市内の地上で冬を越せるのだろうか?
ずいぶん昔から、大阪市内で静かに勢力を伸ばしているようにみえるムカデだけど、建物の中で見つかる割に、屋外ではあまり採集できていない。
普段は、下水管やその周囲などの、あたたかな地下の空隙で生活しているのではないかと思う。

ビルやマンションに仕掛けた粘着板で、多数捕獲されている現場に出くわすことが稀にあるけれど、穏やかな気性のムカデで、あまり共食いなどはしないため、生息密度が高くなるのかもしれない。
本種の幼体が多く捕まる場所では、オオチョウバエ成虫とか、クロゴキブリもよく捕まるので、たぶんそれらも食べているのだろう。

近頃の多脚類の世界は、身のまわりで見かける種が変化しているほかにも、分類学的な処遇にも変化があって、ずいぶんスッキリした感じになってきたみたいだ。

見たことがない珍種のスジアオムカデ O. striatus が、ノコバゼのシノニムになったなんてコトは、対岸の火事というか害虫駆除屋の立場から隔絶した話だが、トビズムカデ Scolopendra mutilans がオオムカデ  S. subspinipes のシノニムとかってコトについては、わけもなく抵抗感がわいてくる。
少なくとも私は、心情的な理由により、トビズムカデの和名を一生使い続けたい(老害?)。

日本産アカズムカデも幻として完全に消えそうだし。
医学・衛生学情報として、いくつかの専門書にアカズムカデの毒が強いなんて記述があるけれど、日本国内では関係ない話になってしまった。
それにしても台湾や中国では、ムカデ類を世界的な規模で研究してて圧倒されるが、乾燥したムカデにけっこう毒性があるらしいというあたりはホントなのだろうか?もう少し情報を集めてみたい。

2017/12/12

落ち葉の下の外来種

西淀川区の工場敷地内で、落ち葉をかき分け、コンクリートブロックをひっくり返して外来ヤスデ Choneiulus palmatus を探してみた。20分ばかり探してみたが、まったく見つからなかった。
先月採れた1ペアだけが、なにかの海外資材に紛れて、たまたま日本にやってきたなんてことはありえないだろうけど、活発に繁殖しているということもなさそうだ、なんて思っていた。

残念ながら、そんなことはなかった。


ヤスデ探しをしてから3日後に、ダニ採集用に持ち帰った落ち葉から、テンテン付きヤスデは、ようやく1個体落ちてきただけだった。でも4日後の今日、なぜか18個体もはい出してきた。



腐葉土の部位にいるわけではなくて、たぶん落ち葉の丸まった部分あたりに身を潜めていたのかもしれない。これでは、現地で見つけられないのも無理はない、と目視採集力が低いわけでは決してないと自分にいいきかせた。現地で小さなミミズを拾って、これは例のヤスデか?なんて言っていたことは早く忘れよう。

小型のヤスデなんて、だれも気にしていないだろう。いつから大阪に入り込んでいたのかを、つきとめる方法はないと思う。

カナダでは、種名が分かっている64種のヤスデのうち、なんと21種が外来種と聞く。
おそらくは日本の土壌動物の世界にも、知らぬ間に外来種の新しい波が次々とやってきているのだろう。

胴節に細い毛が生えているけれど写真に写りにくい。
よそのサイトの上手な写真では、よく写っているけど・・・。

このくらいのアップでようやく少し写っている。


ヤスデって、じっくり見ると興味深いトコロが多い。

嫌いだったがだんだん好きになってきた。
頭を触ると体長の2倍くらいバックで歩いたりすることがあるが
ヤスデはみんなこうなのか?とか、
活発に移動しているときは、あんなにたくさんある歩脚のうち、
同時に接地している歩脚は10対くらいしかないようにみえることがあって
驚かされたりとか、ロボティクスかなんかの分野で調べても面白そう。








2017/11/23

勤務先の花壇のダニ

うちの事務所の玄関横は、とても乾燥した土と度重なる攪乱で、雑草も少ないミニ荒野となっている。
そんなやせた土というか粗い砂的なものを採取して、簡易ツルグレン装置(100均の金網+金属ロート+段ボール箱)にかけてみると、個体数は少ないが意外にダニが色々落ちてくる。


ヒモダニみたいな体形の、ニセコハリダニ科 Paratydeidae の ヒモニセコハリダニ
の一種 Tanytvdeus sp. とか。



体表構造が複雑な形で、それらの機能が想像できないツヨヒワダニ Malacoangelia remigera などもみられる 。




2017/11/20

テンテンヤスデ

ニセササラダニ採集のために、工場建物の周囲にたまった渇き気味の落ち葉を持ち帰り、金網にいれて落下物を検分していると、見たことのない小さなヤスデが1ペア現れた。

体の横に点々模様がついている。長さは10mmほど。



眠たそうな顔をしていてなんかカワイイ。
個眼が一列に並んで、閉じた目のような形にみえる。

雄の生殖肢先端の形状から
Choneiulus palmatus (Němec, 1895)と判断した。
ヒメヤスデ目で、Blaniulidae に含まれる。

このテンテンつきヤスデはヨーロッパ原産で、北米とオセアニアに移入。って分布なので、大阪市内で見つかっても、あんまり奇妙な感じはしない。Blaniulidaeには、かなりヤバめな農業害虫がいるらしいので、本種についても用心に越したことはないと思う。

参考URL   http://www.padil.gov.au/maf-border/Pest/Main/140590

2017/11/12

100均のスマホ用接写レンズ

小さな虫の写真をスマホから送ってもらうことが普通になっているけれど、お送りいただいた写真を拝見する限り、地球外生命体や霊界の彼方にいる存在くらいしか考えつかないような画像になってしまっているものも少なくない。
改善策として、100円均一ショップで販売されているスマホ用レンズを使用していただくようにしようと考えている。
自分でちょっと使ってみないと、実際のところがわからないので、近所を回り購入して試してみた。
商品はダイソーとキャンドゥで入手できた。セリアのは入手できなかった。

左側がキャンドゥで、右側がダイソーの商品。
同じように見えて、微妙に違いがある。


道端で見かけたルリアリに撮影モデルになってもらった。
ルリアリは、おとなしくしてもらうために、ラップを二つ折りにして挟み込んだ。

自分の携帯電話を、最近ようやくガラケーからarrows Be F-05J に変えた。そのスマホに装着してズーム最大にて撮影。夜の室内で、光源は天井照明の蛍光灯のみ。

まずはキャンドゥから。思っていたよりスゴク写る。
よくこんな暗い環境でしっかり写るものだと思う。

つぎにダイソー。あんまり変わらない。でもコッチのほうが、
わずかに腹部の体節が写っているような気もする。

ヨメのiphone6でも撮影してみた。

F-05Jの写真と比較して、かなり細かいところまで写っていた。
スマホの価格に応じて、それなりに良い写真になるということなのだろう。

当たり前な結論として、100均のレンズ自体の性能差より、スマホの性能次第で写真の仕上がりが大きく異なるみたいだ。
100均レンズは、ウチに写真を送っていただく、すべての方々に今後お勧めするつもり。








2017/11/05

ダニの鼻

ニオイでダニをおびき寄せたり、あるいは寄せ付けないグッズなんてものがあるけれど、そもそもダニに鼻とか存在するのだろうか?と質問されることがある。

実際のところ、ダニに人間みたいな鼻があるわけはない。
ダニ類は、脚先や胴体の毛の一部が化学受容器官になっていて、周囲の世界から情報収集できると考えられている。毛が鼻になっているというか、鼻毛というか、まあなんかそんなもんでニオイを嗅ぎ分けているというのは確かだろう。

ニオイを感じることができるかどうかは知らないが、形態学的に鼻(naso)と呼ばれる突起状の部位をもっているダニ類もいくつかいる。
室内塵のダニのなかでいえば、ヨコシマチビゲダニ(ヨコシマチビダニ)の一種 Terpnacarus sp. の体の先端の小突起は、鼻と呼ばれている。
でもって、鼻の下のレンズ状の部位は目だって専門書には書いてある。
鼻の下に目って・・・、体の両側にも目があるから三つ目・・・、いや、われわれ人類とはまるで関係のない生き物なので、何をどうしようと文句をいえる筋合いはないけれど。

Terpnacarusをプレパラートにしようとすると、
いつも失敗して、どうしても横向きになってしまう。

ヨコシマチビゲダニの一種は 0.3mm前後、生きているときは赤いダニで、大阪あたりなら、乾燥気味だけれどカビが生えているゴミが落ちているような建物のコンクリート床なんかでみつかる。カビなどに分解されつつある植物を食べるらしくて、ジャンプ能力がある。
ヨコシマチビゲダニ科は、ケダニ亜目(目)に含めている図鑑とか解説書が普通だったけれど、a manual of Acarology 第3版(2009)ではササラダニ亜目(目)に含めてあり、分類学的位置についても、深~い議論がある。

*ヨコスジとかって書いてしまっていたのをヨコシマに訂正(11/7)ていうかどっちだろうと誰も気にしてないやろな・・・こういうのは。