2016/09/26

駆除対象外

食品工場にもよるけれど、外壁に止まっているだけならクモ類は普通放置。
飛翔性昆虫の駆除を地味に手伝ってくれているし。


オスグロハエトリの雌と思うが、この仲間も写真だけだとかなり同定は難しい。
雨の日の軒下で、ガガンボの一種を食事中。



2016/09/20

秋のニセケバエ

ひとくくりにコバエと呼称されるムシたちには、実はいろいろいるけれど、害虫駆除業者だって分類が面倒くさいので、コバエの習性がどうの、コバエの対処方法はこうだのと、ふつうに何食わぬ顔でコバエを連呼しているものだ。
たまにコバエってものを分類してみることもあるが、けっこう面白い。

ビルの屋上の水溜まりの周りを、数匹のニセケバエが歩き回っていたので1個体捕まえて調べてみた。
夏も終わり、涼しくなってきてから、目につくようになった種だ。やたらと小さい(体長0.7~1.4mm)。
Manual of Neartic Diptera, Vol. 1(1981)をつっかえつっかえ読み、翅脈のイラストと見比べたりして検索をたどってみた。
Rhegmoclemina sp. と判断した。全北区で見られる属らしい。

春に出てくる奴らみたいに、大群になる例はなさそう。

ちょっと水にふやけてデカくなった成虫♂

翅脈



頭部 左右の複眼がくっついている。

雄の交尾器

精子ポンプ

ヒラタクワガタの短足コウチュウダニ sp.2

なんやかんやで、ブログに写真を上げそこなってたコウチュウダニのメモ。
神戸市産ヒラタクワガタ♂の口器周辺から、コウチュウダニが2種出てきて驚いたが、和泉市産ヒラタクワガタでは3種もいた。
3種の内訳は、脚の長い種が1種と、脚が短い種が2種。和泉市で新たに見られた種は、脚が短い種で、雄の肛吸盤が発達していた。


Canestriniidae gen. sp.2 ♂


この種は、脚が極端に短いという違いを無視すれば、ヨーロッパオオクワガタに寄生するCanestrinia dorcicolaにかなり似ていると思う。

通常、寄生性ダニ類は、宿主と1対1の関係にあるとばかり思い込んでいただけに、3種も同時に寄生しているなんて信じがたいことだった。
このブログでは、一応別種にしているが、ひょっとしたら「型」みたいなもので同一種ってこともありうるのだろうか?

それとも寄生部位に、それぞれミクロな違いがあって、3種が生活していられるのだろうか?