2015/11/01

サイパンのセマルヒラタムシの一種

何年も前にサイパン島でクワガタ採集したときに採れていたけど、四角紙に入れたまま忘れていたセマルヒラタムシ亜科を取り出して調べてみた。


紋が何もない。前胸側縁の突起も少ない。

手始めに地名と属名で調べてみようとして、Northern Mariana Psammoecusの3語でグーグル検索してみた。
すると、隣のグアム島や遠く離れたオアフ島などでPsammoecusが2種記録されているらしいということが分かった。図版がないかなと思って調べだしたが、”PROCEEDINGS OF THE HAWAIIAN ENTOMOLOGICAL SOCIETY" の全然関係ない古い論文に「ぐおお」とか感動して見入ってしまい、何を調べているのか思い出せなくなるという平常通りの状態で終了した。冷静に考えてみれば、図版が見つかったところで、分類的な判断をどうこうできるようなグループではないのだった。


サイパンの不明セマルヒラタムシは雌だったので、貯精嚢を取り出してみたら、少なくともミツモンセマルヒラタムシなどとは全然違う形態だった。貯精嚢は他のヒラタムシ上科でも調べると面白そうだし、今後も考え込むネタにしてみたい。
雌交尾器には強い複屈折がみられる部分がある。
雄交尾器でもみられる部位があるけれど、雌ほど明瞭な箇所は見当たらない。
昆虫は筋肉以外だと、クッキリした光学的異方性がみられる器官が少ないと思う。

ダニの感覚毛でもタンパク質の光学的異方性の有無が
気になるところだけれど、何かの情報伝達とかに関係していそう。


貯精嚢はやや大型。


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