2016/07/18

ヒラタクワガタの口器周辺生活型クワガタナカセは2種混生?

クワガタナカセ類について、夏休み自由研究的な観察を試みてはいるが、おおまかなことすら掴むにいたらない。

まず、種類がハッキリしない。
生態もわからない。
発育段階は?コナダニ団によくみられる4段階でOKなのか?
産み付けられた卵が並んだ場所があるから卵を産むはずなのに、幼虫が体内に入った雌がいるのはなぜ?

外側から観察しやすいタイプのクワガタナカセ類は、クワガタムシの雄の口器内に生息の中心があるようだ。
けれども、付属肢基部の複雑な空間(口腔と呼んでいいのか?)は、宿主が生きたままでは観察不可能に思える。

さやばねの下にいるタイプのクワガタナカセ類にしても、生きたまま観察しようとするのなら、当然宿主を生かして固定したままで、背板上のダニを観察できるようにしなければならない。
コクワガタの雌を石膏で脚部を固定して、口のところに給餌用チューブをあてがい、さやばねを切断して脱着可能にしておく方法がいいだろう。
ダニ飼育台となったコクワガタは、一定の温湿度で真っ暗な環境に置き、観察時には、さやばねを外して背板を観察する。
こうしたダニ飼育台を20基作成して、恒温庫内に並べると・・・

・・・H・R・ギーガーの絵になるのは間違いない。


神戸市産のヒラタクワガタの口器周辺生活型のクワガタナカセ類を観察してみた。
どうやら、2種混じっていたようだ。
クワガタの口腔内に強い勢いで水を吹き付けて、奥の隙間にいるダニを洗い出した。洗い水を濾紙にとおして、濾紙上のダニを拾い出した。
ツシマヒラタクワガタで観察したと同一種と思われるダニがたくさんみられた。Haitlingeria longilobataという脚の長い種類ばかりにみえたが、脚が短い個体が少数混じっていた。

プレパラートにしてみると、属の見当もつかないヤツだった。

Canestriniidae gen. sp. ♂
属不明のクワガタナカセの一種。
肛吸盤が見当たらない。

Canestriniidae gen. sp. ♀
上の♂に対応する♀と思われる個体。
本当にクワガタナカセ類は、わけがわからない。


上記♀の胴部後端(透過偏光で撮影)



課題が横に広がるばかりで、収拾がつかなくなってきた。
というのも自由研究にありがちな展開やなあ。

0 件のコメント:

コメントを投稿