2015/06/14

掃除機は清潔なもの

●家屋内の清潔さを保つうえで、電気掃除機はなくてはならないモノであり、午前中から昼頃にかけて住宅街で戸ごとにひびく金属的な吸引音が、世の平穏さを示す重要な構成要素でもあることは認めざるを得ない。
ありとあらゆるものからゴリゴリ、ワシャモシャ、ビービューとゴミを除去しているうちに、吸引ノズルはもはやプラスチック成形品などではなくなってしまい、その使用する人の重要な一器官、あるいは手の延長とまでいえる存在に昇華する。掃除機は、穢すべからざる神聖な器具なのだ。

「室内に迷い込んできたクロアリの羽アリは掃除機で吸えばいいですよ。」なんていおうものなら、たいていの主婦からは、恐ろしい顔つきで「掃除機はどうなるんですか?」聞き返される。ムシはどーなるのかという以前に、掃除機が汚染されることが問題になるという点に注意を喚起したい。
うっかりムシを吸ってしまった掃除機はどうなるかというと、それはムシによっても違いがあるが、クロゴキブリなんかだったら大抵が廃棄処分とされる。粗大ゴミ置き場に真新しい掃除機を見かけることがたまにあるが、それらは故障では無く、多分ムシ入りになってしまったが故に泣いて切られた馬謖なのだと思われる。

というようなことをお客さんにたいする注意事項として同僚達と語り合ったりした。







●ミャンマーとラオスに囲まれた某国の田園地帯から回収された光誘引式捕虫器の粘着シートには、とても興味深い虫が沢山ついていた。無数について腐っている羽アリはヒメサスライアリの一種だし、シロアリモドキの一種の有翅虫なんかも混じっている。少なくとも大阪ではみたことないのばかりだ。
変なのが出てくるたびにぎゃーぎゃーいってるので、仕事がはかどらなかった・・・認めたくはないが大損。

鱗毛に覆われたゴミムシダマシの一種 Lepidocnemeplatia sp.



宇宙から落ちてきたムシなんだと思う。たぶんFission sailかなんかの原理で飛んでたんだろう。
ちゃんとした飛べるサイズの後ろばねが畳まれてあるが、そんなもので飛んでるなんてわけがないと思う。こいつもゴミムシダマシの仲間でCossyphus sp.という意見もある。




標本にして残したいムシがいたら、粘着紙ごと切り取ってキシレンに漬けておく。
一週間ほど漬けておくと粘着剤がかなり除去できるが、ムシによってはさらに長期的に漬けておかないとダメなものもある。シロアリモドキの翅脈は意外にシンプル。



4mmほどのカッチョロええゴミムシ。Cymbionotum helferiと思う、ええ虫が混じってたら捕虫紙の虫数え費用割引とかしようかしらなんて、ついアカンことを考えてしまう。
・・・ええ虫ってなんやねん・・・。




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