2014/12/22

ジワジワくるむし

ひと月ほどまえの話。Acleris氏が拾ってきた鳥の羽から変な虫が出てきた。残念ながら、その虫以外はツメダニどころかウジクダニもいやしなかったけど。

その変な虫のほうは、同氏のブログ記事でたいへんな反響だったそうで、つい先日、標本は羽毛ごと専門家に送られた。
http://blog.zaq.ne.jp/insect/article/575/

鳥の羽が拾われた直後に、ダニをほじくり出そうとしているとき、ナゾ虫の若虫を1個体潰してしまい、しょうがないのでプレパラートにしていた。それから現在に至るまで、つらつらとその分類的位置について考え込んでいたが、結局何も分からなかった。





シロアリのような、ハジラミの幼虫のような。
何かに例えることが容易なのに、名前を思い浮かべることができない生き物は難物だ。
それは実際のところ、例えの外にいるということだ。
つまり例外的な存在。

ハジラミなら特殊な形態をしていないとイケナイはずなのに、こいつは見た目にすごい普通な虫オーラが漂っているところが異常。

触角は4節とも普通な円筒形だし。頭部も普通に丸くて触角が収納される溝なんてない。
頭部前縁から大あごにかけては、ドバトから採集したことがあるタンカクハジラミ科の一種と似た雰囲気だけど、大あごが妙に発達しているし。胸部もデカくてヘンチクリン。ふ節のあたりは何がどうなのか分からないがメチャクチャ粘着力がある。

http://phthiraptera.info/ をさんざん閲覧しまくったが、少し似たのは出てくるけど、コレだ!ってのは見つからなかった。
こまごまと分かれているハジラミの世界のことだから、新属くらいにはなってもよさそうって感想だ。


町に近い低山の遊歩道で、あんなものが落ちているとは、足下の世界の底なしさに、あらためて畏れを感じた。

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