実際のところ、ダニに人間みたいな鼻があるわけはない。
ダニ類は、脚先や胴体の毛の一部が化学受容器官になっていて、周囲の世界から情報収集できると考えられている。毛が鼻になっているというか、鼻毛というか、まあなんかそんなもんでニオイを嗅ぎ分けているというのは確かだろう。
ニオイを感じることができるかどうかは知らないが、形態学的に鼻(naso)と呼ばれる突起状の部位をもっているダニ類もいくつかいる。
室内塵のダニのなかでいえば、ヨコシマチビゲダニ(ヨコシマチビダニ)の一種 Terpnacarus sp. の体の先端の小突起は、鼻と呼ばれている。
でもって、鼻の下のレンズ状の部位は目だって専門書には書いてある。
鼻の下に目って・・・、体の両側にも目があるから三つ目・・・、いや、われわれ人類とはまるで関係のない生き物なので、何をどうしようと文句をいえる筋合いはないけれど。
Terpnacarusをプレパラートにしようとすると、
いつも失敗して、どうしても横向きになってしまう。
ヨコシマチビゲダニの一種は 0.3mm前後、生きているときは赤いダニで、大阪あたりなら、乾燥気味だけれどカビが生えているゴミが落ちているような建物のコンクリート床なんかでみつかる。カビなどに分解されつつある植物を食べるらしくて、ジャンプ能力がある。
ヨコシマチビゲダニ科は、ケダニ亜目(目)に含めている図鑑とか解説書が普通だったけれど、a manual of Acarology 第3版(2009)ではササラダニ亜目(目)に含めてあり、分類学的位置についても、深~い議論がある。
*ヨコスジとかって書いてしまっていたのをヨコシマに訂正(11/7)ていうかどっちだろうと誰も気にしてないやろな・・・こういうのは。
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