デジカメという道具は、害虫駆除業者の情報収集手段として、まことに有り難いものではあるけれど、何人かで現場をまわっていれば、1年もするとパソコンのハードディスクの中に数万枚の写真が堆積してたりするので始末に困る。しかも、なんかツマラナイものをやたらと撮ってるし。
5年以上も前の写真なら、もう決して役に立つことはないだろうから消去してしまえばいいのだが、なかなか踏ん切りが付かないまま、外付けハードディスクに移してしまう。
どれを消そうかなどと考えつつ古い写真を眺め出すと、業務にものすごく支障が発生するので、中身を見ないようにしてエイヤとフォルダーごと移動させることが肝要だ。
でもやっぱり古い写真をチラッとみると引き込まれる。
東大阪市の某駅に近い場所で撮影したクモの共同巣。2002年11月に暗渠のなかに張られていた。
暗くてよく分からないけれど、奥の外光が差している場所まで、クモの巣が切れ目無く続いていた。
写真の明度を変えて、クモの巣が見えやすくしてみた。
たくさんのアシナガグモの一種が共同で暮らしていて、網にかかったユスリカ類を食べていた。
短辺が0.6mで長辺は65mだから約39平方メートルのクモの巣だ。
ひょっとしたら、日本一の大きさだったかもしれない。われわれがユスリカを退治してしまったせいか、2ヶ月後にいくとクモの巣は残念ながらほとんど消えてなくなっていた。
アシナガグモ類も社会性ぽい行動をしているということは興味深い。
ユスリカ防除にアシナガグモを使えるかもしれない。ユスリカ類が発生する水面に目の荒いネットで簡単に覆い、大量飼育した個体群を放てば、巨大なシート状の巣を作ってくれて、ユスリカ類の成虫分散を封じることができるのではないだろうか?
*やっぱり米国は、アシナガグモも規模が違うなあ・・・。
Tetragnatha guatemalensisの巨大な共同巣
http://bizarrecreature.blogspot.jp/2015/05/creature-223-tetragnatha-guatemalensis.html
*こういう巣はメガウェブなどというらしい。
Greene, A., J. A. Coddington, N. L. Breisch,
D. M. De Roche, and B. B. Pagac, Jr. 2010.
An immense concentration of orb-weaving
spiders with communal webbing in a man-made structural
habitat (Arachnida: Araneae: Tetragnathidae, Araneidae).
American Entomologist 56(3): 146-156.
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